「アメリカ企業の株に挑戦してみたいけど、まだ市場には詳しくない。損はしたくないから、初心者でも買える安定した銘柄について知りたい。」
この記事は、米国株購入を検討している方におすすめの記事となっております。
未知の市場では大きなリスクを取らず、安定した銘柄から入って様子を見たいところ。
星の数ほどある米国株ですが、その中で特にオススメできるのが【HII】(ハンティントン・インガルス・インダストリーズ)です。
HIIは政府関連企業のため、一般の企業よりも安定した受注が見込める事が大きな魅力。
損しない米国株取引がしたいあなたは、要チェックです!
<本記事の内容>
● HIIの基本情報・特徴 ● HIIが米国株初心者に向いている理由 |
もくじ
HIIは、米国最大の軍用造船企業
HIIが設立したのは2011年と比較的最近です。
米国軍事企業ノースロップ・グラマンが前身で、同社の造船部門から独立しました。
HII自体の歴史は浅いですが、前身から数えると100年以上の歴史を持つ大企業です。
事業内容
HIIという企業が特徴的なのは、こちらの2点です。
- 世界に2社しかない、原子力空母を建造できる企業のうち1社
- 米国に2社しかない、原子力潜水艦を建造できる企業のうち1社
原子力空母を製造できるもう1社はフランスにあるため、HIIはこの分野で米国市場を独占しています。
製造からメンテナンス、オーバーホール(分解点検修理)まで一手に引き受けているのです。
また、原子力空母に限らず、米国海軍の水上戦闘艦の供給者としては最大です。
原子力潜水艦製造においてもHIIが寡占しているといえます。
単純に雇用先としても、米国各州で最大手として名を連ねるほどの大企業です。
市場の動向など
米国政府お抱えということもあって、艦船の需要が存在する限りは今後も非常に安定した受注が期待できます。
もっとも、これはどんな事業にも当てはまることですが、政策や技術面で大きな変革が起きれば話は変わります。
そのため、市場の動向にはこれからも注目が必要です。
次の【財務状況など】で書いていますが、HIIはとてつもない量の受注残高を抱えています。
いかにも政府関連企業らしい特徴と言えます。
財務状況など
さっそくHIIの財務状況を確認してみます。
※単位:ドル(mil)
※数字は概数です
損益計算(直近)
総売上 | 営業CF | 営業CFマージン(%) | 純利益 | |
2016年 | 7000 | 800 | 11% | 500 |
2017年 | 7500 | 800 | 11% | 500 |
2018年 | 8000 | 900 | 11% | 1000 |
また、2016年から投資CFが増えています。
艦船製造のため、先行投資が多くなるのは不思議ではありません。
自社株買い
HIIはかなり積極的に自社株買いを行っています。
実際、5年で14%の発行済株式数を減らしています。
※自社株買いとは?
自社株買いを行うと、会社の利益は変わらず発行済株式数が減ります。 株主還元を目的としても行われ、発行済み株式数の減少はこれらの上昇に直結します。 ● EPS ● DPS ● 株価 |
受注残高について
政府お抱え企業というだけあって、莫大な受注残高があります。
受注残高:410億ドル(2019年3月時点)
日本円にして約4.4兆円。
今後も太い商売が期待できそうです。
【配当】配当性向は余裕がある
次に、配当日と配当性向について見ていきます。
配当について(直近)
2017年3月 | 約2.5ドル |
2018年3月 | 約3ドル |
2019年3月 | 約3.5ドル |
配当月・配当落ち月について
配当月:3月・6月・9月・12月
配当落ち月:2月(もしくは3月)・5月・8月・11月
配当性向について
配当性向:21%
配当自体は低配当であるものの、配当性向はまだまだ余裕です。
十分な増配余力がうかがえます。
増配率の推移
- 7年連続増配
2012年に配当を出し始めてから、7年連続で増配を続けています。
直近5年の平均増配率は年率にして43.3%と非常に高い割合です。
流石に、今後もずっと20%以上の増配を続けるのは簡単ではありません。
とはいえ、現時点での安定的な増配は期待できます。
基本情報からわかる、お得な理由
冒頭でも書きましたが、HIIは米国市場において、原子力潜水艦事業を寡占、原子力空母事業を独占しているといえます。
そのため、これら市場への参入障壁は非常に高いことが推測できます。
また、よほどの事態が発生しない限りは米国からの安定した受注が見込めます。
逆にいうと、HIIに劇的な伸びはあまり期待できません。
この点も、HIIが初心者向け銘柄であることを示す証拠の一つです。
自社株買いに相当積極的なのも、株主としては嬉しいところです。
まとめ
今や圧倒的な大国となったアメリカ。
非常に競争率の高い米国市場ですが、政府お抱え企業であればリスクの少ない選択といえそうです。
米国市場に慣れるまで、HIIのような安定した銘柄から取引を始めるのがオススメです。