「せっかく米国株に投資するなら、多少リスクがあっても大きなリターンが期待できる銘柄がいい。でも、数ある米国株からどう選べばいいのかわからない…」
本記事は、こんな悩みを持っている方におすすめの内容です。
米国株【ABBV】(アッヴィ)は、米国の大手医療品メーカー。
配当貴族銘柄でありながら、今後の躍進にも期待が持てるおすすめの銘柄です。
バイオ関連株について興味があるあなたは、必ずチェックしてください!
<本記事の内容>
● 米国バイオ関連株の特徴 ● ABBVについての基本情報 ● ABBVがおすすめの理由 |
もくじ
米国バイオ関連株の特徴
まず、バイオ関連の銘柄はとても特殊です。
株式投資で通常参考にするような、業績・株価指標があてになりません。
その代わりに【新薬の将来性に投資する】のです。
医療品の開発には時間・資金がふんだんにかかる一方で、医療品として市場に出されるまでの審査は非常に厳しいです。
製薬企業と提携して進められ、米国であればFDA(※)に承認されることで販売できるようになります。
販売に至って初めて利益が出るのです。
それはすなわち、莫大な資金と何年もの時間を費やした新薬候補が最後の審査で非承認になり、全てが水の泡になることもある、ということ。
しかし、これだけのリスクの裏には、巨大なリターンの可能性が秘められています。
もし何億もの人を救う画期的な新薬が承認されれば、またたくまに会社の業績は跳ね上がります。
このような性質から、バイオ関連株は短期投資向けのテーマとして人気です。
※FDAとは?
アメリカ食品医薬品局の略称。 日本でいう厚生労働省にあたる政府機関です。 FDAが承認しなければ、アメリカ市場で新薬を販売することはできません。 新薬の承認は国ごとにされるため、「日本では販売できるがアメリカではできない」といった状態もあります。 ABBVの場合、アメリカでの売上げが半数以上。 そのため、【この新薬がFDAに承認されるかどうか】が最も重要な判断基準です。 |
ABBVは、米軍御用達のバイオ医療品メーカー
バイオ関連企業の業績は基本的に不安定で、ばらつきが生まれるものです。
しかし、さすがはアメリカの大企業。
日本のバイオ関連株等に比べると、かなり安定して収益を上げているという印象を受けます。
地域別でみると、米国での売上げが最も多い
ABBVの地域別売上げは、米国に大きく依存しています。
- 米国(7%)
- 日本(9%)
- ドイツ(9%)
売上げが世界に分散していない事は、不安要素になる場合もあります。
しかし、同社の主要顧客の中には米国防総省が含まれていました。
つまりABBVは軍御用達のメーカーで、これからも政府からの安定した需要が見込めます。
この点は、むしろ安心できる要素です。
製品別の売上げは、Humiraが圧倒的
ABBVの現在の主力商品は、【Humira】という医薬品です。
全売上高の57%という圧倒的な割合を占めています。
しかし、最近問題視されているのがHumiraの特許切れ(※)についてです。
アメリカでは2023年まで守られましたが、ヨーロッパではすでにHumiraの特許は切れています。
そのためHumiraの売上げは下がり、株価も下落トレンドになっています。
ABBVの現在の課題は、
【2023年にアメリカでHumiraが特許切れする前に、有望な新薬を販売すること】
なのです。
※特許切れの影響とは?
医薬品の特許が切れると、他の製薬会社が同じ有効成分で医薬品を作れるようになります。 「ジェネリック医薬品」とも呼ばれる後発の医薬品が登場すると、先発の医薬品の需要は下がります。 特許切れは売上げなどに大きく影響するため、一般的には懸念材料として考えられます。 |
損益計算について
こちらが、ABBVの損益計算(直近)です。
※単位:100万ドル
売上高 | 営業CF | 営業CFマージン | 純利益 | |
2016年 | 25638 | 7041 | 27.5% | 5953 |
2017年 | 28216 | 9960 | 35.3% | 5306 |
2018年 | 32753 | 13427 | 41.0% | 5687 |
やはりバイオ関連の企業にしては安定しており、業績もそこまで悪くないです。
配当についての見出し
ABBVは配当額も比較的高く、配当狙いの銘柄としても優良。
直近の配当利回りも10%台で、配当には非常に積極的です。
配当月・配当落ち月
配当月:2月・5月・8月・11月
配当落ち月:1月・4月・7月・10月
増配率の推移
ABBVは驚異の【46年連続増配】をしている、まさしく配当貴族銘柄と呼ぶにふさわしい銘柄です。
連続増配に加えて、増配率も高い数値を記録しています。
2013年から2018年の5年で、配当金は2.4倍になりました。
Humiraを超える効果!?ABBV期待の新薬について
最後に、Humiraの後継として高い期待が寄せられている【Skyrizi】と【upadacitinib】についてご紹介します。
Skyrizi
Skyriziは、今年承認されたばかりの医薬品です。
今年度の売上げは1億5千万ドル。
これからさらなる収益を上げていくでしょう。
upadacitinib
upadacitinibは、ABBVが最も期待を寄せている開発中の治療薬です。
リウマチ患者用の治療や悪で、治験段階中の治療薬でトップレベルの効果を誇ります。
報告によると、Humiraをしのぐ効果が見られました。
すでに開発の段階としては最終段階に近く、早ければ今年中に承認されます
ABBVは、この薬が承認されれば、最大で年間65億ドルの収益を有無と予想しています。
基本情報からわかるお得な理由
ABBVはとても高収益な企業ですが、そのほとんどはHumiraの売り上げによるものです。
頼みの綱のHumiraが特許切れすることを考えると、これからの業績には期待が持てないようにも思えます。
しかし、実際はそうではありません。
高い将来性を秘めた新薬開発を着々と進めています。
ABBVは元々影響力の強い大企業です。
加えて、顧客には米国政府もいます。
新薬、特にupadacitinibの開発に成功すれば、今後の業績は飛躍的にアップします。
もちろん新薬承認のハードルは高く、承認される保証はありません。
しかしリターンを考えると、投資する価値は十分にあります。
株価が下落している今こそが、買い時なのです。
これが、ABBVをおすすめできる理由です!
まとめ
バイオ関連株は得てして、ハイリスクかつハイリターンな傾向があります。
全財産を投資するのは危険なので、【いくつかの銘柄に分散投資する内の一つ】にするのがおすすめです。